二代目桂枝雀 - 宿屋仇

落語ちゃんねる http://rakugo-channel.tsuvasa.com/nokiduke-shijaku-2 サゲは「下手な浄瑠璃で味噌が腐る」という昔の悪口から来ている。今は通用しないので、冒頭で浄瑠璃好きの男が家族からそんな悪口を言われたというセリフを導入する演出をとっている。 江戸や上方では浄瑠璃を「音曲の司」と呼んで素人が熱心に稽古をしていた。 その有様は「寝床」「浄瑠璃息子」「二八浄瑠璃」「稽古屋」「豊竹屋」「くしゃみ義太夫」などの古典落語に残されている。 橘ノ圓都が得意としていたのを、戦後、三代目桂米朝に伝わり、さらに二代目桂枝雀、桂文珍などによって演じられるようになった。 現在ではあまり顧みられない浄瑠璃を主題としているが、筋の面白さや、面々の掛け合い漫才のような軽妙なやりとりなどが人気を集め現在でも通用するネタとなっている。 演題の「軒付け」は、桂米朝の説明では「大道芸人の門づけとはまたちがって、浄瑠璃の軒づけをやって修行する」(『米朝落語全集・第四巻』より)とあり、アマチュアが技芸の鍛錬のために行うもので、1890年代まで京阪地方で行われていたとされている。